<第55回>息子はすくすくと学童クラブで育ててもらっていました。働いていてよかった、と思うばかりです。ですが、働くママ、働く女性としては、複雑な感情がこみ上げては消え、また沸き上がる、という状況を繰り返していました。「少し休みをとろう」6月の梅雨に入りかけた時のことです。急に気持ちが抑えられなく、「有給休暇」という素敵な文字が頭によぎりました。一度もこの数年、というよりは社会人になってから、取得した記憶がありません。「休もう」「自分のために休暇をとろう」グタグタに疲れ切った感情は、自分を大事にしよう、という究極の選択を私に仕向けました。時期的に、学童クラブ在籍のための申告を出さなくても良い時期だったこともあり、心の奥底には、「このままずっとお休みしたい」という私の「本音」が心の砦を壊しながら、動き出していました。