「〇〇さんはどう思う?アイデアはある?」と指名された瞬間、胸が躍るような気持になったことがあります。
「信頼さている、意見を求められている」と感じたからです。ところが、準備をしていなかったので、頭がなかなかまとまらず、遠回りをして意見をしゃべり出したら、「もう少し簡潔にしてくれ」と注意の声。思わず、「失礼しました」と一言。やっと頭が落ち着き、そこからは「賢明に」「ロジカルに」話したことを覚えています。途中から、出席者が自分の発言に耳を傾けてくれていると実感できました。はじめて与えられた主役の座のようなものです。そのときに思い知ったことは、「賢明でロジカルでないと、次に吹く風を防御できない」ということです。ある仕事で張り切り過ぎた先輩は、1年後に都落ちの異動に。懸命になりすぎてしまい、空回りをした結果です。左遷だとは思いませんでしたが、「頭を冷やして来い」という上司の恩情のようにも感じました。賢明であることは、ターニングポイントをコントロールするうえでは、極めて大事なことなのです。