人と比較しない人生を選ぶことは意外に難しいものです。マタニティーハラスメントは、会社の強引な制度によるところと「女同士」の葛藤から発生するものとに大別できます。ですが、そこに人のメンタルな部分に刺激を与える「季節」も影響するらしいのです。
今回は、3年前の春に「苦い思い」を経験したという 木須 久恵さん(31)にインタビュー。
もろくも崩れ落ちたワーキングママ宣言
木須さんは、3年前、勤務していたファブリック製造販売でワーキングママを宣言したそうです。産休前から「引継ぎノート」をコツコツと作成し、職場復帰まで、会社に迷惑をかけないための準備を一生懸命にしてきたとのこと。ところが、まさかの事態が発生・・・・。
(木須さん):まさか退職勧告をされるなんて、思ってもみませんでした。しかも、理由が「他の社員がイライラする」からだっていうんです。4月から産休に入る予定だったのですが、まぁ、1月の段階で会社が赤字決算することはなんとなく知らされていたので。私の会社はファブリック、インテリア関係の製造販売の会社だったのですが、百貨店や大手スーパーでの売り上げが下がってしまい、量販や通販に卸す業態に変わろうとしていたところだったんです。ですから、みんなどこかキリキリしていたんです。でも大手量販との契約が決まったので、業績は回復できると営業会議で発表され、みんな大喜びしたところだったんです。
(hana):じゃ、どうして退職に?
突然のマタハラ
(木須さん):これからがんばらなくちゃならない、というときに「抜ける」ことが他の社員に「イライラ」する、ということらしいのです。それに、私が作成していた、引継ぎも、新しい量販との契約によって、使える情報が少ないようで・・・。それだったら、担当替えをしたほうがよいということに話が進んだようなんです。これは「マタハラ」ですよね。
(hana):そりゃ、まちがいなく「マタハラ」ですよ。ひどいですね。ただ、会社にもご事情があるのでしょうが、やり方がひどい。
(木須さん):しかも、「ワーキングママとか言って、一人でいい気になっている」、とか、「営業事務だから、この時期に出産なんてできるけど、営業の女性はできない」、「要領よく仕事をしている風な感じがムカつく」とか、耳に入ってきました。人事にしてみたら、「人」のことで営業部に迷惑をかけたくない、という判断らしくて、それで「一度、退職にしてくれないか」って切り出してきたんです。パートとしての採用は約束するからって。
(hana):何、それ?ひどすぎるでしょ!
女の敵は女
(木須さん):本当に腹が立ちました。でももっと、きつい一言があったんです。「かわいらしいマタニティなんか着て、しあわせオーラいっぱいだよね」「冬はがっつり温かそうな恰好して、動くの大変みたいな感じしてたのに、春が来たら、一気にママで~すみたいな」とか、いっぱい言われました。女子から・・・・。
(hana):聞いたことはあったけれど、やっぱり結構、きついこと言うんだね。女子は。
続きはこちらから
春はマタニティハラスメントの季節?②