実家の父が亡くなり、母と同居することに。空き家にしておくのはよくないので、実家を解体しようと思っていた矢先の豪雨。母が「権利証がない」と大騒ぎ!豪雨で荒れ果てた家を解体するにも登記が父のままになっていることもわかり、愕然としました。こんな体験をなさった紀子さんにお話を伺いました。インタビューはマミペパ編集長石川です。
権利証が無い!母の涙
編集長:
豪雨での被災を遅ればせながら、お見舞い申し上げます。
紀子さん:
ありがとうございます。いろいろなことが重なってしまい、母が泣き崩れていました。父が亡くなって半年。やっと母が私たちと同居することを納得したばかりの時に被災。あと1週間もすれば母は豪雨被害にも遭わなくても済んだのですが…。
編集長:
お気の毒でしたね。不動産の権利証を紛失したのですか?
紀子さん:
そうなんです。解体業者と連絡をしていたところ、登記が父のままになっているので、工事ができないと言われたところだったのです。お恥ずかしいのですが、父が亡くなる前に相続の話はしていたので、既に母に登記を変えていたものと思っていました。でも、よく考えたら、母が一人でできるはずはないですよね。なんだかんだとバタバタしていて、母のことを考える余裕がなかった私の責任なんですが。母はつらいって、泣いていました。
不動産登記なんて、自分ではできない?!
編集長:
そうでしたか。とは言っても、権利証を失くしたことと、登記を変える( 相続登記)をすることは違うことです。2つの問題がありましたね。解決するのに大変でしたでしょう?
紀子さん:
はい。本当に困りました。そうしたら会社の同僚から、「登記は自分でもできるよ。
法務局の無料相談に予約すると、かなりよく説明してくれる」と言われたので、とにかく近くの法務局に直行しました。
編集長:
無料相談は予約が必要では?
紀子さん:
それが運よく、その時間帯はその場で予約ができたのです。ラッキーでした。お陰様で、約40分、たっぷりと教えてもらいました。結論は、「自分でできそう」でした。
(笑)確信までは持てませんでしたが、必要なことは理解できました。
プロのダブル使いで乗り切りました!
編集長:
そのあとはお一人でスムーズに?
紀子さん:
かなりこまめに申請書や付帯する書類の作り方を教えていただいたので、ある程度はできました。申請書の雛型に赤文字を入れて教えてくれたので、ほぼそのままに作ればできるという感じでした。ですが、細かな点、特に日付の前後関係とかが理解できませんでした。結局、そこからは法務局の電話相談に連絡しました。これがまた、とても親切に教えてくれるんです。特に女性の登記官に当たったときには、「このくらいのこともできない私」という負い目を持たずに質問ができたので、助かりました。とても親切でした。
編集長:
行政機関のダブル使いですね(笑)
プロに相談することが「その先」の知恵を得る
紀子さん:
母が失くしたと泣いていた権利証も、実印がなければただの紙に過ぎない、ということが理解できました。おかげでホッとした母。さらに、「権利証ではなくて、登記済証というのが正しい言い方なんだね」とやけに納得していました。すっかり法務局にはお世話になりました。
編集長:
相続も今は、自分で登記申請(本人申請)できる時代になりましたね。まずは、プロに相談することが大事です。
紀子さん:
その通りだと思います。お陰様で、解体後の滅失登記も自分でできそうです。
編集長:
「その先」は見えていますね。それがプロからの学びであり、知恵です。本当によ
かったです。お母様をお大事になさってください。今日は、ありがとうございました。