Mammy's paper(マミーズペーパー)の「記事」

<第163回>
大昔?!「隣の芝生は青い」という言葉が流行りました。隣の芝生が青々としていて、羨ましがることです。「自分は自分」という言葉も流行りました。どちらも、自分の生き方、進み方を悩んでいる人への名言?迷言?であるように思います。毎日は、あっという間に過ぎていきます。子どもの成長は明らかにわかります。自分の成長は、母親という立場を通して、社会を見ていくことによって、成長していくのかもしれません。
 私は、自分がどれだけ成長しているのかを実感する意識がありませんでした。とにかく、「できる仕事を増やす」ことばかりを考えていたように思います。それでもゴールはみえません。息子が小学校1年の夏休みに、学童のママ友が「離婚して実家に帰る」と言い出しました。税理士の奥様として、豊かに暮らしていたはずなのに、急に事務のパートの仕事を始めたのがその年の1月ごろ。学童にもなんとかお子さんを入れることができ、「もうちょっとお給料のいい仕事したいな」と言うようになりました。周囲は、「何かあったのかしら?」とは思えども、質問することもできませんでした。
 彼女の口から現実を聞いたのは、秋口でした。「実は、夫が仕事放棄したみたいで、急にタイ焼き屋のアルバイトに行くようになった。どうなっているのか、何もわからなくて」と呆然としていました。何が理由だかわからないそうです。とにかく、ご主人は税理士の仕事を辞めてしまったのだそうです。
 彼女がポツンと、「私って、結婚した当時のまま年を取ってしまって、主人の変化も、主人の仕事の変化にも気づかなかったの。主人の事務所の女性事務員の人に、世間知らずでは、夫すら支えられないダメ女だ、って言われたの」と。働くことは社会や社会変化と共存していくこと。ママになっても、必要なことなのよ。彼女は離婚して、九州の実家に戻りました。「これからの人生は、社会と向き合って生きて行かないと、子どもを不幸せにしてしまうから」という言葉を残して。

hana
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マミーズペーパー編集部所属のライターです。

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