「人手不足で困っている」
「働き方改革を進めていかないといけない」
このような声が多くの企業・団体から聞こえてくる現代において、「在宅ワーク」が注目を浴びています。
一時的にオフィスに行くことの出来ない妊娠中・子育て中の女性にとっては、在宅で子供の面倒を見ながら、無理せず業務を行うことができる環境は、ストレスフリーと言えます。また企業側から見ても、優秀な人材を手放さずに活用できることは非常に嬉しいことです。
一般的に「在宅ワーク」はWIN- WINであり、現在は「在宅ワーク」に憧れる女性が増加しています。
そこで今回、マミーズペーパー編集部では、既に在宅ワークの型を完成させ、子育てと仕事を完璧に両立されている、合同会社マリーズラボ代表の渡辺真里さんにインタビューを行いました。
実際、在宅ワークについてお伺いしてみると、渡辺さんの口からこぼれたのは「在宅ワークはとても大変。」という言葉でした。世の女性が憧れを抱く「在宅ワーク」の実態は、そう甘いものでは無いようです。
本記事では、実際の体験談から「在宅ワーク」の良い面と悪い面の双方をお伺いし、渡辺さんご自身がどのようにして在宅ワークの型を完成させるに至ったのか、そのポイントを探っていきます。
その他、渡辺さんの地域活動や子育てと仕事のバランス感覚についても赤裸々に綴ってまいります。
□プロフィール□
渡辺真里 合同会社マリーズラボ 代表
カナダの大学を卒業後、日本の商社へ入社。その後、独立。開業をした2ヶ月後に妊娠していることが分かるが、仕事を続投。妊娠期・出産期・子育て期に、開業後の仕事作りをすべて行う。現在はマリーズラボにて、ビジネススクール講座やヒーリングなどのセッションをメインに行っている。
埼玉県所沢市在住。4歳の娘を育てるシングルマザー。
「在宅ワーク」をするには、きちんとルール決めることが重要。
――本日はよろしくお願いいたします。
こだわりの感じられる、とてもきれいなご自宅ですね。このおもちゃは娘さんのものでしょうか?
渡辺(以下敬称略):
はい。娘の、真愛(まな)のおもちゃです。いつもこのリビングで遊んでいるんですよ。
真愛は今4歳で、すくすくと育っています。子供の成長って本当に早いですよね。今日は残念ながらひいおばあちゃんの家へ行ってしまいましたが、今度ぜひ会いに来てくださいね。
――今、4歳ですか!本当に可愛い時期ですね。
因みに、渡辺さんは今、真愛ちゃんを保育園に預けずに在宅ワークをしているとのことですが、どうして保育園に預けない選択をされたのでしょうか。
渡辺:
それはですね。実は、娘が大の保育園嫌いなんです。(笑)
初めは普通に保育園を利用しようという考えていて、昨年まで保育園の“一時保育制度”を利用して、週に2~3回ほど娘を預けていました。ただ、保育園に行く朝になると「保育園行きたくない~」って娘が毎回泣くものでして、なんとか騙し騙し連れていくという日々でした。それが昨年、真愛の仲良しの友達が退園してしまったのをきっかけに「絶対に行かない!」というモードに入ってしまったんです。そこで私も改めて考えたんですね。嫌がる娘を説得してまで保育園に連れて行かないといけない理由ってあるのかな?と。当時から自宅で仕事をしていましたので、最終的には“預けなくてもなんとかなる”と判断し、今のスタイルに至りました。
――そうだったのですね。でも、真愛ちゃんと1日中一緒にいられるのは、安心ですし何より幸せですよね。
渡辺:
そうですね。
ただし、子供と同じ空間にいながら仕事をする、というのはとても大変なことだと改めて実感しました。今、「在宅ワーク」が良いと言われていますが、私はとても難しいことだと思っています。
娘はまだ小さいですし、「ママは仕事中だよ」と言っても理解できないだろうな、と思っていた当初は、「ママ、これ見て」「抱っこして」って仕事中に当たり前のように来るんですよね。その度に構って、遊んで、それからまた仕事モードに入る、その繰り返しは本当にしんどくて、なかなか仕事が進みませんでした。
そこで私は、娘と交渉をしてみることにしたんです。
「ママは、仕事中はかまってあげられないよ」
「1~2時間、連続してママを一人にしてくれないと仕事が出来ないの」
そういう事情をしっかりと伝えた上で、「仕事の間は一人で待っていること。」それが出来なければ、また保育園に行かないといけないよ、と伝えると、娘はきちんと理解してくれたんです。
保育園に行きたくない一心なのか、それ以来仕事中には一切寄ってきませんし、静かに一人で遊んでいます。もうそれはすごい徹底っぷりです!
――まだ小さいのに物凄い理解力ですね!
渡辺:
そうなんです。私も子供ってこんなに物分かりいいの?って内心驚きました。
ただ、事実「在宅ワーク」は子供におとなしくしてもらわないと出来ないんです。つまり子供に我慢をしてもらわないといけない。真愛はたまたま“我慢のできる性格の子”だったから良かったのですが、これが、元気が有り余って仕方のない男の子や、2歳以下の子供だったら難しい気がしています。2歳までは、自分の意図したとおりに身体が動かないことが多いと思うんです。ダメだって分かってても衝動が止められないとか、ありますよね。3~4歳になると一人ひとりペースは違いますけれど、理性が芽生えてくるのかなと思っています。
「在宅ワーク」ができるかどうかは、正直子供の性格によるところが大きいです。そして、もし「在宅ワーク」をする場合は、きちんと子供とルールを決めていくことが大事だということをお伝えしたいです。
※記事の後編は12月11日に公開予定です。今しばらくお待ち下さいませ。