Mammy's paper(マミーズペーパー)の「記事」

4歳の娘さん-真愛(まな)ちゃん-と二人で暮らしながら、「在宅ワーク」をしている渡辺さん。「在宅ワーク」をするためには、子供ときちんとルールを決めることが大事、ということを実際の体験談に基づいて教えていただきました。

今回は、そんな渡辺さんの子育てと仕事のバランス感覚や、地域のお母さんのための活動についてお伝えしていきます。

 

娘が人生の中心、仕事はその次。 心の求めるままにあればいいと思う。

――ところで、渡辺さんご自身はお仕事とプライベートの切り替えはどのようにされていらっしゃるのですか。

 

渡辺:

私の場合は、基本クライアントさんと画面越しに話す“講座形式”の仕事が多いので、自ずと集中してできるんです。その他の調べものやPC作業については娘が寝ている間にやることが多いですね。

 

――講師業をされているのですか?

 

渡辺:

そうですね。今は、“自分で生計を立てていかないといけないけど、子供と一緒にいる時間も作りたい”というお母さんに向けて、自分の生き方が少しでも参考になればいいなと、「1日2時間で月収100万円」というメソッドをお伝えする講座を行っています。クライアントさんも小さいお子さんを持つお母さんが多いので、赤ちゃんを抱っこして画面越しに登場する方もいますよ。途中、「授乳しなきゃ!」なんてこともあるんですけど「じゃ、また落ち着いたら続きをしましょう」という風にフレキシブルに対応してます。

他にも、ヒーラーやコンサルタントとして活動しています。

 

 

□プロフィール□

渡辺真里  合同会社マリーズラボ 代表

カナダの大学を卒業後、日本の商社へ入社。その後、独立。開業をした2ヶ月後に妊娠していることが分かるが、仕事を続投。妊娠期・出産期・子育て期に、開業後の仕事作りをすべて行う。現在はマリーズラボにて、ビジネススクール講座やヒーリングなどのセッションをメインに行っている。埼玉県所沢市在住。4歳の娘を育てるシングルマザー。

 

 

――いろいろなことをされているのですね。講座は基本PCの画面を通して行っているのですか?

 

 

渡辺:

そうですね。やはり、クライアントも動きづらい方が多いですし、私も1日2時間しか働かないと決めたときに、移動は無理だなと分かっていたので、在宅でネット環境を活用して講座を行おうと決めていました。

 

――なるほど。因みにその「2時間」というのには何かこだわりがあるのでしょうか?

 

渡辺:

一般的に、娘との二人暮らしというのは働く上でとてもリスクが高いと思うんです。例えば、娘が風邪をひいてしまったら職場へ行けない。私が風邪をひいてしまっても職場へ行けない。母ひとり子ひとりというのは、それだけで仕事上のリスクなんです。

ただ、仕事は信頼関係で成り立っていると思うので、やはり基本体制としてリスクの低い方法でやりたい、そう考えたときに、娘の起きる前1時間と寝た後1時間なら、何が起ころうとも確実に時間が取れるだろう、そう確信して「2時間」と決めたんです。

 

――2時間にそのような意味が込められていたのですね。今の渡辺さんにとって、真愛ちゃんが生活の中心にいるんだな、ということがよく分かりました。

 

渡辺:

そうなんです!

今は娘が私の人生の大事な部分を占めています。というのも、娘は今4歳なんですが、あと10年も経ったらもう私に見向きもしてくれないと思うんです!(泣)

10年後、私は41歳でまだまだ働ける。つまり仕事はいくらでも待っていてくれる。けど、真愛の4歳というこの時は待ってくれない。今この瞬間しかないんだ!そう思うと、今は仕事が1番じゃなくていいのかなって自然に思えたんです。

もともと仕事が大好きで、起業当時も仕事ばっかりしていたんですけど、ある時気付いたんですよね。

「ママとどこでも行きたい!」って言ってくれる“今”はこの時しかないなって。

 

――真愛ちゃんへの大きな愛を感じますね。

渡辺さんはお仕事が大好きでバリバリ働きたいタイプの方なのかと思っていましたが、今のお話を聞いてとても印象が変わりました。「今の時期」をとても大切にしていらっしゃるのですね。

 

渡辺:

そう、私がこういう話をすると、反省しちゃうお母さんが結構多いんですよ。

「私は真里さんみたいに子供のことを第一に考えられていない。仕事をしたいと思ってしまう、悪いママです…」という感じに。

ただ、私はそれを悪いことだとは思いません。そのままでいい、心の求めることをやればいいと思うんです。だって、お母さんが幸せであることが子供の望むことだし、お母さんが幸せなら、旦那さんだって嬉しい気持ちになると思うんです。だから、我慢をする必要はないと思うんですね。

 

 

お母さんが幸せになれる社会をつくるために「声を上げる」こと。

――確かに、お母さんが幸せであることが旦那さんの喜びにもつながるし、なによりも子供に良い影響を与えますよね。子供は本当に敏感だと言いますしね。

 

渡辺:

そう、お母さんがハッピーなら旦那さんもハッピー。子供もハッピー!だから、子供のことを考えるのなら、まずお母さんに投資をすべきだと思うんです。母親はもう大人だし自分の責任は自分でとれます。ただ、赤ちゃんは何も出来ない。赤ちゃんは私達母親が育てていかないといけないんです。国は直接子供を育てることは出来ない。つまり、投資すべきはお母さん。国は、お母さんを守る制度をもっと整えていかないといけないと思います。

 

――やはり、渡辺さんも子育てに対してまだまだ国のサポートが不足していると感じますか?

 

渡辺:

うーん。不足しているというか、社会の変化にサービスが追いついていないだけだと感じています。だって私が子供の時は“鍵っ子”なんていなかったし、どの家庭もお母さんは家にいるというのが常識でした。共働きが当たり前になってきたのは、最近のことですよね。世の中の常識は変わってしまったけど、国のサポートがまだ追いついていない、という状況でしょうか。また、社会の仕組みを作っているのはほとんどが男性なので、思考が追いつかず、時間がかかっているということも考えられます。

ただ、「どうせ行政や国は変えられない」と思って、無言で待っている人がほとんどですが、私は「声を上げることが大事」ということ自分の身をもって体験しました。声を上げると、実はきちんとそれを聞き入れてくれて、それらの声に合わせて、国は仕組みを変えていくんですよね。

 

――渡辺さんは、「声を上げたこと」、何かを訴えた経験があるのですか?

 

渡辺:

はい、2013年だったと思いますが、国が少子化対策として、初めて「産後ケア事業」に対して予算をとったんですよ。ただ、国会の方で決まったことなので、自治体の方でどうするかは任せます、と言うかたちだったんですね。そこで私の住んでいる所沢市では、「産後ケア事業」でこういうことをしてほしいです!という声をお母さん側から発信するという活動をしていたんです。私もその活動に加わっていて、当時は代表を務めていました。

産後の鬱や産後の虐待という問題はなかなかなくならないですけれど、これは主に、お母さんが孤立してしまっているから起こるんです。本当は産後っていろいろなサポーターに囲まれていなければならない時期なのに、お母さんと子供が二人きりになってしまっているケースが本当に多いんです。そういうことをお伝えしながら署名活動を行っていたら、なんと5000名もの署名が集まって、結果所沢市にも私達の要望が通ったんです。既に形になっているものもあれば、未だ継続して審議中のものもあるんですけど、声を上げればきちんと聞いてくれるんだな、ということがよく分かる経験でした。

 

――それは嬉しいですね。

今後、新しい時代に適したサービスが増えて、お母さんが幸せになれる社会になることを期待したいですね。

話したいことはまだ山ほどあるのですが、そろそろまとめに入りますね。最後に、渡辺さんの今後の目標があれば教えていただけますか。

 

渡辺:

私は、最終的には場所を選ばない仕事がしたいな、と思っています。

実はですね、ちょうど11月27日から旅に出るんですよ!通常の業務は何も変更をせず旅をする、というちょっとしたチャレンジです。スーツケースと娘を連れて行ってきます。いろいろなことを諦めなくて済む、自由な働き方が私の目指すところです。

 

 

――渡辺さん、本当に貴重はお話を聞かせていただきありがとうございました!!

真愛ちゃんとの旅も楽しんできてください!

EndoAzusa
EndoAzusa
マミーズペーパー編集部所属のライターです。 日本の歴史と文化、自然をこよなく愛する。将来は地方で教育環境を作るのが夢。 昔から文章を書くのが大好きで、現在はライターとしてインタビュー記事やイベント開催報告記事を書くことが多い。

コメント

コメントをするには、マミペパ会員登録する必要があります。

関連記事