Mammy's paper(マミーズペーパー)の「記事」

学生の頃から「女性として所得能力を失わないために専門職に着きたい」と考えていた平野さん。妊娠,出産,育児期間中に社労士の勉強に打ち込み、見事合格。社労士としてだけでなく、離婚後は収入を増やすための積極的な努力を惜しみません。
今回は、自立した考え持つ平野さんの“子育て感”や“離婚についての考え方”について赤裸々にお伝えいたします。

 

平野夏子  野崎労務管理事務所 社労士

早稲田大学卒業後、イギリスへの語学留学を経て、バイオ技術を扱う特許事務所へ入所。

結婚,妊娠後は、今後のキャリアを考え、資格のある専門的な職業につきたいとの思いから、社労士の資格へ挑戦。出産,育児,試験勉強を同時期に乗り越える。

中野区在住。2017年5月に離婚。4歳の息子を育てるシングルマザー。

 

 

息子は共に活きる仲間。

――平野さんのお話を聞いていると、とても強い方なんだな、という印象を受けるのですが、やはり離婚してシングルマザーとしてお子さんを育てることは大変なことですよね。

平野:
それがですね、私は“大変”とは全く思っていないんです。それは勿論、先程お話したように経済面での苦労はありましたが、それ以外では“ラクになったな”というのが本心です。

――“ラク”ですか?!

平野:
はい!だって、夫の世話をしなくて良くなったんです(笑)。面倒を見る人が一人減ったという表現が正しいでしょうか。実際、子供を一人で育てることの大変さはみなさんが想像しているほど感じていないですね。離婚後は、ありのままの自分でいられている感じがして、のびのびとしています。

――息子さんは今何歳でしたか?

平野:
今4歳で、もうじき5歳になりますね。名前は、湊司(そうじ)と言います。

――4歳ですか!元気で可愛らしい時期ですね。
湊司くんをこういうふうに育てていきたいという想いは何かあるのでしょうか?

平野:
そうですね、親の考えに縛られず、自分で考えて自分で決断していける大人に成長してほしいと思っています。
離婚してからは、母として湊司の面倒をみているというよりかは“一緒にいる仲間”という感じなんです。湊司にも「きみはきみで私は私で別の人生だけど一緒に頑張ろうね!」というスタンスで接しています。
湊司もよく察してくれる子で、家で仕事をしている時は「お仕事してるんでしょ~?」といって一人で遊んでくれています。「構って!構って~!」という感じでは全くないですね。

離婚が人生の再スタート!

――すごくいい子ですね!!男の子ですから、お母さんを支えたいという気持ちが無意識にあるのかもしれませんね。
因みに、湊司くんに対して親の考えに縛られてほしくない、というのは何かご自身で経験があったのですか?

平野:
私は母から抑圧されて生きてきたんです。
今でも、「他の子は習い事をしているんだから、湊司くんも何か習い事させないとダメでしょ」とはよく言われますね。
私は小さい頃、体操、水泳、ピアノなど一通りの習い事をした上に、幼稚園も小学校も受験でした。いわゆる英才教育ですね。ただ私は“母の思い通りの道から外れてはいけない”という押し付けがずっと嫌だったんです。
先程もお話した通り、母は所得能力がないために、嫌な夫(父)と離婚したいけどできないと言う状況でした。そしていつも父の文句ばかり言っていました。だからこそ子供を育てるのに命をかけようと、子供を思った通りにさせるのが生きがいだったんだと思います。そういう生き方の母を反面教師にして、私はこんな大人になっちゃったんですよね。

――なるほど。それでは、平野さんの子育て感というのはお母様と間逆なのですね。

平野:
はい、なので私にとって「離婚」は「母とは違う人生にします!」という大きな決断でした。
「母に言われたからやる」「母に変に思われたくないから従う」というのではなく、「私が自分で決めて自分で責任を持ちます!」という新しい人生の一歩を踏み出した瞬間でした。
だから、私にとっては「離婚」は人生の再スタートなのです。
正直、早稲田大学に合格したときよりも嬉しかったですね(笑)。「自分よくやった!」と本心から思いました。
つまり、私は離婚を“悪いこと”とは全く思っていないのです。だからFacebookでも堂々と離婚を公言したんですね。そうすると、「実は私も…」という人が案外多くて、いつしかシングルマザーのコミュニティができていました。
皆、「離婚」って言っちゃいけないこと、悪いことと思っているようですが、そんなことはないんじゃないかな、と私は思っています。

離婚後の良い変化。ありのままの自分でいられる幸せ。

――「離婚」が人生の再スタート、という考え方は初めて聞きましたので、大変勉強になりました。私もなぜか「離婚はしちゃいけない」と思いこんでいましたが、やはり価値観は人それぞれ異なりますよね。平野さんは離婚後良かったことはありますか?

平野:
旦那の愚痴から逃れられることでしょうか(笑)。
でも実際に、子供は親のことをよく見ていると思うんです。私がそうだったように、夫婦仲が悪いことも敏感に察知してしまいますよね。
あとは、以前と比べて生活がのびのびしています。結婚当時は、私も妻としてしっかりしなきゃという気持ちが強く、きちきちとしていました。湊司が「遊ぼう」と寄ってきても「今はご飯の支度をしているから遊べません!」と言ったりして、割りと厳しかったと思いますね。ただ二人になると、ご飯の時間や品数とかも気にしなくてよいので、家では仕事をしたり、二人でダラダラしたりと、好きなように過ごしています。
以前は、湊司を無理やり公文へいかせていたんですけど、それも全部辞めてしまって、今は二人で本当にのびのびと暮らしています。

――離婚を通じて考え方が本当に変わられたのですね!

平野:
はい、私自身が自分の考えを持ちイキイキと生きていることが、湊司にとっての最大の教育だと思っているんです。

人の役に立つ、やりがいのある仕事がしたい。

――そのとおりですね。まずは、平野さんご自身がイキイキとされることが湊司くんにとっても良いことだと私も思います。
それでは、最後に平野さんの今後の目標をお伺いできますでしょうか。

平野:
今の社労士業務は収入を増やすためにやっている、言わばライスワークなんです。なので、やりがいを感じられるライフワークがしたいなと思っています。
それで一時期は社労士をやめようかとも考えていたのですが、先輩に「両方やったらいいんじゃない」とアドバイスをいただいたので、社労士をやりながら何か他のこともやろうと考えています。
個人的には、大学時代心理学を専攻していたこともあって、カウンセリングには興味があります。社労士だと労働相談にのることができますので、今後は個人のカウンセリングにシフトしていければいいなと考えています。実際、対個人の仕事はお金にはならないのですが、だからこそやってみたいという気持ちが強いですね。
自分の知識と経験を活かして、多くの人の役に立てる仕事をしていきたいです。

――平野さんありがとうございました!今後のご活躍を期待しております!!

EndoAzusa
EndoAzusa
マミーズペーパー編集部所属のライターです。 日本の歴史と文化、自然をこよなく愛する。将来は地方で教育環境を作るのが夢。 昔から文章を書くのが大好きで、現在はライターとしてインタビュー記事やイベント開催報告記事を書くことが多い。

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