Mammy's paper(マミーズペーパー)の「記事」

女性目線が輝く

三州製菓さんの商品には、繊細さや心配りを感じさせてくれるものが多くあります。バレンタイン用のお煎餅はハート形で、香りのよいチョコレートがハートの3分の1にかけられています。お煎餅は柚子胡椒味などの独特の味わいがベースになっています。1つの商品にいくつものメッセージがあるように感じる商品です。その他にも、子供が食べる目線で作られた「てまり」(チョコおかき)など、随所に女性目線が輝きます。
斉之平社長に伺ったところ、小さなお煎餅をつくる工場設備は幾分、手間がかかるとのこと。それでも女性の目線は素晴らしい、と社長は目を細めながらおっしゃってくださいます。

事業戦略としての女性活用

そして忘れてはならないのが、大ヒットとなった「揚げパスタ」です。豊富な味わいと軽い食感で大人が楽しむことができます。この商品を開発したのが、子育てをしながら商品企画を担当している小菅アシスタントマネージャーだそうです。
お菓子のメインカスタマーは女性です。女性に好まれる新商品開発を迅速かつタイムリーに行うために、商品企画のチームは女性を中心にしています。他社でも女性目線で商品開発をしているという話は聞きますが、一部事業にとどまっているのではないでしょうか。それに対して三州製菓さんでは、事業の根幹を「女性の能力」においているのです。
これは、早い段階から、男女共同参画を推進しており、各部門における女性従業員の割合が増えていることによるところです。全体の75%が女性だそうです。これを聞いただけで、女性が働きやすいことがわかります。ですが、その反面、女性が心の壁や甘えを払拭して働くことには、難しさもあります。その難しさを「越えるべき当然のこと」と女性従業員の皆様が受けとめることができているのは、「活かされている」ことを実感することが多いからだと思います。「はじめて仕事が楽しいと思った」という子育て女性の言葉からも、伝わってきます。

女性活躍推進の2つの課題

そして、何よりも板垣マネージャーの存在が大きいのです。「活かされている」「互いに尊重しながら結果を出す」「助け合う」その言葉の意味を板垣マネージャーの言葉から力強く感じることができます。まさに、子育て女性にとってのロールモデルであることはいうまでもありません。
女性の活躍推進には、2つの課題があります。1つは女性が働く総力(働く総数)を増やすこと、そして、2つ目は身近に感じられる「先輩女性」がいることです。前者は女性が働き、能力を発揮する場所を増やすことであり、男性社会から「男女ともに」の風土を築くことです。何よりも、女性の労働人口を増やすことが不可欠です。環境整備が整っていないから女性が働きづらい、という企業文化を問題視しないことが問題なのでしょう。女性にしても、ママになったら「働きたいけれど働けない」と考えるのではなく、働く機会を増やすための「脳力」を鍛えることが大切なのではないでしょうか。三州製菓さんは、この相互の意思が、斉之平社長の強いリーダーシップによって実現したものといえます。知らずしらずのうちに、従業員が「会社によって育てられている」のではないでしょうか。実直に「ありがとう」と感謝を伝えられる人、誰かの役に立ちたい、と考えることが習慣になっている人は、組織に育てられやすい人でもあるのではないでしょうか。女性が社会で活躍するためには、自分だけが頑張るのではなく、多くの人に活かされ、育てられることが大切だと今回の取材を通して感じるところでした。

ロールモデルの存在

また、後者は、とても難しいことだと思います。多くの子育て女性にとって、バリバリ働く女性管理職をロールモデルにできる人は少ないでしょう。「子供がいるのに、よくあそこまでできるね」と言われるような女性をロールモデルにすることもできません。子育ても、家庭生活も大事であることを行動で示しながら、仕事をしていく先輩女性をロールモデルにしたいのです。板垣マネージャーは私がお目にかかった数少ない素晴らしいロールモデルのお一人です。
「すべてのものを真に活かす」ことにより、従業員の皆様の「生きいきと働く」を実現なさっている三州製菓さん。これからますます、女性が開発したヒット商品が私たちの「憩いの時間」を演出してくださることと思います。
女性活躍とは、組織の仕組み作りからはじまるということ学ばせていただきました。
三州製菓様、ご協力ありがとうございました。

2016.03.07 女性活躍の行動を宣言 三州製菓 ホームページより抜粋
「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」に、三州製菓株式会社 社長 斉之平 伸一が女性活躍の行動を宣言しました。
「女性一人一人の潜在的能力を引き出し、女性が活躍できるイキイキとした、働き甲斐のある職場を目指します。そのために、育児、介護などをサポートできるワークライフバランスの取り組みを行います。社長は、女性活躍が会社の基本方針であることを社内外で繰り返し宣言し、経営会議に出席できる女性幹部の割合を、2020年までに35%を目指します。また、女性活躍を推進する「男女共同参画推進委員会」をサポートします。」

hana
hana
マミーズペーパー編集部所属のライターです。

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