冬に睡眠が大切なワケ
大寒に入り、一年で最も寒い季節が訪れました。暖冬とはいえ、朝晩は吐く息がくっきりと輪郭を描き、街では背中を丸めて歩く人たちが足早に通り過ぎていくこの時期、人の身体に
も冬はしっかりと影響を落としています。
東洋医学では立冬から立春までの3ヶ月は早寝して遅めに起き日光を待つのが良いとされています。私たちは動物。多くの他の動物が冬眠をしてこの時期を過ごすことは当然私たちに関係のないことではありません。寒さによって無自覚に消耗していくエネルギーを睡眠を増やし補うことは思いの外大切なことのようです。
眠りがもたらしてくれるもの
そもそも現代人の睡眠不足は冬に限ったことではありません。ある睡眠調査によると10代〜60代までの平均睡眠時間は約6時間(*1)。特に4、50代の睡眠不足が顕著だとか。ホルモンバランスに大きく影響を受ける女性にとっては特に7時間を切る睡眠は身体に害を及ぼすと言い切る専門家もいるほど睡眠は女性の健康の要なのです。
世界の中でも日本は睡眠後進国。ある調査ではアメリカの平均8時間半に対し日本は7時間半と先進国最低レベル(*2)。寝る間も惜しむと言う言葉があるように眠る時間が勿体無いと私たちはどこかで思っているのかもしれません。
ところで『思考の整理学』という本にはこんな一節があります。「思考の整理法としては寝かせるほど大切なことはない。(中略)無意識の時間を使って、考えを生み出すということに、われわれはもっと関心をいだくべきである。」
骨休めと言う通り、一日働いた身体を休息・修復してくれるのはもちろん、眠りは私たちの脳をクリエイティブに活性させるという見逃せない役割も担っているのです。一夜漬けより眠った方が記憶が定着しやすいというのも眠りの秘技。
また他にも睡眠時間と国民幸福度が比例するという報告も。眠りのもたらしてくれるものは日々の体感を超えたもののようです。
それでも当面睡眠を確保できそうにない時は、後編でクオリティを見直してみませんか。
後編は1月31日公開します。今しばらくお待ちください。
参考サイト
*1 https://jukusui.com/topic/449
*2 https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00059/061800040/