Mammy's paper(マミーズペーパー)の「記事」

前半の記事では、益本さんの育児と仕事の両立方法と辛かった一度目の復職についてお伝えいたしました。益本さんは二人目の出産のため二度目の産休育休へ入ります。「果たして同じ職場へ戻れるのか?」という不安に苛まれた益本さんは、どのようにして自分の意思を固めていくのでしょうか。ぜひご覧ください。

自分と向き合って見つけた人生の軸

――二人目の妊娠中というのが更に辛かったのかもしれませんね。そのような不安を抱えながらも再度復職を決意したのはなぜだったのですか?

益本:
実は、同じ職場へ戻ることが不安だったこともあり、育休中に少しだけ転職活動をしたんです。いくつか転職サイトに登録をして、何件かオファーがあったのでエージェントの方とお話をしました。職業柄、スタートアップ企業のオファーが多かったので、そこはきちんと「子どもがいるのですが大丈夫ですか?」と聞きました。すると「それだと、ちょっと難しいかもしれませんね…」という回答がほとんどだったんですね。その時は“働くママの現実”を見ました。
そのような経緯もあり、一度、自分ときちんと向き合って考えてみようと思ったんです。幸いにも育休中は時間がありますから、自分の思考を整理するための時間がとれました。「私はどういう人生を歩みたいんだろうか?」「仕事に対してどのように考えているのだろうか?」とじっくりと考えてみたんです。
そして、たどり着いた答えは「ネガティブに辞めちゃいけないな」ということでした。仕事が辛いからとか、上司が好きじゃないからとか、そういう理由でやめるのは大人気ないなと思ったんです。腐ってはいけないなと。この考えは今でも大事にしている私の軸になっています。辞めるのであれば、今の仕事よりももっとワクワクできる仕事があるから、という前向きな理由で辞めたいです。復職に際しては本当に悩みましたが、自分の中に一つ揺るがない軸ができたのは良かったなと感じています。

――流れで復職するのではなく、自分自身としっかりと向き合い、改めて復職を選択するというプロセスが大事だったのですね。お子さん2人と自分だけという空間があったからこそ、前向きに自分と向き合えたのかもしれませんね。

益本:
そうですね。子どもの前だと良くも悪くも全部さらけ出してしまうので、子どもがいたから自分とポジティブに向き合えたというのもあると思いますね。
余談ですが、子どもってこちらが恥ずかしくなるくらい本当に純粋で清い心を持っていますよね。最近はよく娘に夫婦喧嘩を正されます。笑 この前も夫と喧嘩をしてしまってお互い苛立ったまま翌日を迎えてしまったことがあったんですが、娘に「昨日、お父さんもお母さんも怒ってたよね?それ、め(だめ)だよね?」と言われて、二人してものすごく反省したことがありました。他にも下の子に私がギャーギャー怒っていた時に、娘が突然「ママ、アンパンマン書いてあげる」と言い出してよくわからない絵を書いて見せてきたんです。適当に「かわいいね」と言うと、「全然かわいくないよ、これお母さんみたいに怒ってるんだよ」と言われて、そのときもとても反省しました。そうやって思ったことを真っ直ぐに言う子どもを見て、私たち大人も日々学ばせてもらっていますよね。

――真っ直ぐすぎて感動していますね!子どもという大きな存在が前向きに生きるエネルギーにもつながっていきますよね。

夫と同じ立場で働くことで、対等な協力関係を構築する

――ちなみに、益本さんは復職時に時短勤務などの選択肢を考えることはなかったのですか?

益本:
時短勤務は考えなかったですね。
実際、復職時も時短勤務を選択したり、自分の業務レベルのグレードを下げたりという事はできたんです。ただ、「子どもがいるからちょっと楽な仕事をさせて」というのはちょっと悔しいなと思ったので、復職前と同じレベルで戻ることを決意しました。
結果として、時短勤務を選ばなかったのは良かったなと思っています。これは私の考えですが、時短勤務を選択するということは、“ママがお迎えに行って、家事をするのが当たり前です”と公言しているようなものだと思うんです。そうすると、旦那さんは好きなだけ残業をして、奥さんの方に負担がかかるような育児バランスになってしまいますよね。
双方フルタイム勤務であれば状況は同等です。そこで初めて、「送り迎えは私が行くけど、家事は手伝ってね」など対等に会話ができるのだと思います。よく「ワンオペ育児が大変だ」というママさんの声を耳にしますが、時短勤務を選択してしまっているとそうなりやすい気がしています。あくまで私の考えではありますが、夫と育児を協力していく上でもフルタイム勤務を選択するということが重要だと思っています。

――なるほど。旦那さまと同じ状況に身を置くことで、家事を協力していこうという前提を作ることができるのですね。勉強になります!
それでは最後に、益本さんの今後のビジョンをお伺いできますでしょうか。

仕事や家庭と違う世界観を持つことでワクワクできる

益本:
仕事の面で言うと、今後は夫の転勤があるかもしれないですし、小学生の壁などもありますので、5年後、10年後、15年後、どのようなキャリアを歩んでいるのだろうか、というのが全く想像できていないのが正直なところです。ただし、先程もお話したように、腐らないことと、ネガティブに仕事を辞めないということは守ろうと思っています。今は、目の前の一つ一つの仕事が楽しいので、しっかりと成果を出していこうと思っています。

もう一つ、サイドビジネスの方ですが、これは二人目の育休中に仲間と構想を練って始めたものなんですが、メンバーが5人いて、みんな子どもがいる上に副業でやっているので、まずは続けていくことが大事というスタンスで取り組んでいます。みんな副業なので、ミーティングも夜遅くに行うことが多いのですが、子どもを寝かしつけたあとネットミーティングをしたり、寝かしつけだけ夫に任せて、21時から六本木に集合して打合せをしたりと、普段とは違う世界観を感じる事ができるのは本当に楽しいです!サイドビジネスの方は儲けを一番の目的にせず、本当にやりたいことを形にしているので、やりがいも感じられます。これから本格的にサービスをリリースしていくので、乞うご期待です!
仕事や家庭とはまた違う世界観があるのは気分転換にもなりますし、自分の視野も広がって、良いことだなと感じています。これから本格始動ですので、本業や育児ともバランスを取りながら、ポジティブに取り組んでいきたいです!

――益本さん、ありがとうございました!
仕事と育児の両立、またサイドビジネスのサービスリリースも期待しております!

EndoAzusa
EndoAzusa
マミーズペーパー編集部所属のライターです。 日本の歴史と文化、自然をこよなく愛する。将来は地方で教育環境を作るのが夢。 昔から文章を書くのが大好きで、現在はライターとしてインタビュー記事やイベント開催報告記事を書くことが多い。

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