今、改めてアニメに出会う
アニメーションが芸術に昇華して久しいけれど、まだまだアニメは子供のものと敬遠する人も多いとか。誰もが子供の頃経験してきたテレビアニメを思い返せば、大人になった今もう一度その世界へ戻りたいとは思わないの、分かります。
ところで今海外に行けば日本とアニメを強烈に結びつける人が多いことに驚きます。知らないうちに日本はアニメ大国として広く認知されていてしかも彼らにとってアニメは大人も楽しむものとして子供の漫画とは区別されている様子。
母親業に携わっているとアニメは子供のものにしがちだけど、そんな今だけに改めてアニメの世界を再訪してみるのもおすすめ。非現実の世界に包まれる時間の癒し効果、結構クセになりそう。
子育てヒントの宝庫
リアルでは描けない表現を自在にできるのがアニメーション世界の魅力だけど、子供という未知の生き物と関わりあっている時間こそ、リアルを超越したメッセージを自然と味わうことのできる稀有な時間。ママになる、ママである人におすすめしたい映画をセレクトします。
『海獣の子供』
出典:amazon
2019年に公開され文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞などを獲得した記憶に新しい作品。五十嵐大介の名作コミックを「鉄コン筋クリート」のSTUDIO4℃がアニメ化、映画「ドラえもん」などの渡辺歩が監督、久石讓が音楽を担当して映画化された。ストーリーは自分の気持ちを言葉にするのが苦手な中学生琉花を主人公にジュゴンに育てられた2人の少年に出会うことから繰り広げられる命の物語。賛否両論を生んだ同作品だけど、ストーリーへの共感は他所にほとんどの人がその映像の美しさに息をのむ。理屈ではなく感覚で迫りたい生命の神秘に一答を与える青の世界。
『おおかみこどもの雨と雪』
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2012年に公開され日本アカデミー賞最優秀アニメーション映画賞を受賞した細田守監督の長編アニメ2作目。おおかみ男に恋をした女子大生花はやがて2人の子供を授かるがその子達は狼と人間の顔を併せ持つおおかみこども。さらに父親の急死によって花は子供達の自由を守るべく人里離れた田舎町に暮らすことを決意するー。あまりに完璧な母親像には少し面食らうけど、おおかみ人間という空想を通すことで不思議とよりリアルに子育ての苦楽と母親の存在意義を突きつけられる育児が愛おしくなる映画。
後編では子供と一緒に楽しめる映画を。